退職勧奨を受けたときの対処法

今回は会社から退職勧奨を受けた場合の対処法について解説します。

会社が示す退職の条件を確認する

会社から退職勧奨を受けた場合には、退職の条件を確認することが大切です。
具体的には、

① 退職金の割り増しはあるか
② 退職理由は会社都合退職か、自己都合退職か

を確認します。

①退職金の割り増しはあるか。

会社が退職の条件として退職金の割り増しを提示するかどうかです。
会社が退職勧奨をする場合、本来受け取れる退職金に割り増しして支払うことを退職条件にするケースもあります。

②退職理由は会社都合退職か、自己都合退職か。

退職勧奨されて退職する場合は、通常は会社都合の退職になりますが、そのことを確認するべきです。
退職理由が会社都合か自己都合かによって、以下のような違いがあります。

■雇用保険の受給開始日、受給期間
退職理由が会社都合か自己都合かによって、雇用保険の失業手当の受給開始日や受給期間が異なる可能性があります。
会社都合による退職の場合、待機期間7日間の経過後、すぐに失業手当を受給することができます。
一方で自己都合の退職の場合、待機期間7日間の経過後、2か月、状況によっては3か月間の給付制限の期間があります。
このように自己都合に比べ、会社都合の退職の方が雇用保険の失業手当の受給開始時期が早くなります。
失業手当の受給期間は、会社都合の退職の場合、年齢や雇用保険に加入していた期間によって異なりますが、最大で90日から330日となります。
一方、自己都合の場合、雇用保険に加入していた期間によって異なりますが、最大90日から150日です。
したがって、離職票(離職証明書)の離職理由を「退職勧奨」とするよう、あらかじめ会社に確認しておく方が、間違いありません。

■会社によっては、退職金額が異なることもある
退職理由が会社都合か、自己都合かで、会社から支給される退職金額が異なることもあります。
詳細は会社の退職金規定で定められていますので、事前に確認しておくべきです。

退職勧奨に応じなければ解雇すると言われた場合

退職勧奨を受けた場合、会社から、「退職勧奨に応じなければ解雇する」と言われるケースもあると思います。
このような場合、どうすればよいでしょうか。
会社は、正当な理由がなければ従業員を解雇できません。解雇することができるのは、社会通念上、相当と認められる理由がある場合に限られます(労働契約法第16条)。
会社が従業員を解雇しても、解雇するだけの正当な理由がないと裁判で判断されれば、会社がした解雇は無効になります。
このため、「退職勧奨に応じなければ解雇する」と会社から言われた場合には、まず解雇の理由を確認することが大切です。
解雇の理由を確認し、法律的にみて正当な理由でなければ、会社は解雇することはできません(裁判で解雇が無効とされます)ので、退職勧奨に応じる必要はありません。
とはいえ、会社が示す解雇理由が法律的にみて正当なものかの判断は、難しいことが一般です。
したがって会社から「退職勧奨に応じなければ解雇する」と言われた段階で、弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

今回は、会社から退職勧奨を受けたときの対処法について解説しました。
退職勧奨を受けたときには、まず会社の提示する退職の条件を確認し、退職勧奨に応じることのメリット・デメリットを検討しましょう。
退職勧奨に応じるメリットが余りないため拒否したときに、会社が「退職勧奨に応じなければ解雇する」と言ってきた場合でも、解雇するそれなりの理由がなければ、退職勧奨に応じる必要はありません。
ただし、会社の示す解雇理由が法律的にみて、正当なものかどうか判断するのは難しいことが多いので、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
横谷特許法律事務所では、賃金不払いや、不当解雇など労働問題に関するご相談を承っております。
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