労働災害に遭った場合の対応

勤務中にケガをするなど、労働災害に遭ってしまった場合、労働保険から給付を受けることと、会社に対して損害賠償を求めることが考えられます。

まず、労災保険からの給付ですが、労災保険給付を受けるためには、災害が「業務上」であることが必要です。例えば、休憩時間中の事故が「業務上」といえるかどうかは微妙な点もあり、休憩時間中にトイレや社員食堂に行くときにケガをした場合は「業務上」といえますが、昼食をとるために外出した際のケガについては、基本的には「業務上」とはいえないと考えられます。
また、「自分のミスでケガをしたのだから、労災保険は適用されない」と考える方がおられますが、労働者の過失によってケガをした場合でも、労災保険の給付はなされます。ただし、労働者の「重大な過失」によってケガをした場合、労災保険給付の全部または一部が支給されないことがあります(労災保険法12条の2の2)。
まれな場合ですが、業務上のケガであるのに、会社が労災保険の手続をしないことがあります。このような場合は、労働者が自ら労働基準監督署で労災保険の手続をとることとなります。

次に、会社の安全管理上の問題から、労働災害が発生したと考えられる場合は、会社に対して損害賠償を求めることになります。ただし、会社が、自らの安全管理上の問題があったと認めることはまれですから、損害賠償を求めるためには、裁判を起こすことが一般です。

横谷法律特許事務所は、広島市中区にある法律事務所です。労働問題などあらゆるお悩みの相談やトラブル解決を承ります。お客様に対しては、法的観点からみた現在の状況と今後の見通しについて、できるだけ詳しくわかりやすくご説明いたします。お困りのことがありましたら、ぜひ当事務所へご相談ください。