医療過誤問題における弁護士と協力医の連携について
医療過誤問題は、医療の専門的知識を有する協力医から、随時、助言を得ながら訴訟等で解決を目指すことになります。
医療過誤に関する損害賠償請求訴訟では、「過失(医療ミス)」と「因果関係(医療ミスがなければ、悪い結果が生じていなかったこと)」を証明することが求められますが、以下では、「過失の証明」を例にとって、私の場合、どのようにして協力医の助言を得て、損害賠償請求訴訟の準備をするかについて、説明します。
カルテをよく読む
まず、カルテをよく読んで、「適切でない」と思われる医療行為をすべてあげます。
ここで、医療行為が適切かどうかは、カルテを読むだけではわかりませんので、関係する医学の文献を調べます。その上で、「適切でない」と言えそうな医療行為のあたりをつけます。
協力医の意見を求める
そして、「適切でない」と思われるそれぞれの医療行為について、協力医に意見を求めます。
そうすると協力医は、それぞれの医療行為が適切といえるかどうか、答えてくれます。
もちろん、はっきり適切だとか適切でないといった答えが得られないこともあります。例えば、「町医者だったら、このようなことはよくある」といった回答のこともあります。
協力医の意見をもとに裏付けとなる文献を探す
そのようにして協力医の意見が得られたら、協力医が「適切でない」としたそれぞれの医療行為について、「適切でない」といえるための裏付けを、私が探します。医療行為が「適切でない」ことを裏付ける文献を協力医が示してくれることもありますが、示してくれないこともあります。また、協力医が示した文献だけでは、「過失の証明」のために十分でないこともあります。
このため、協力医の助言をもとに、医療行為が「適切でない」ことを裏付ける文献を弁護士が探すことは、必須です。これが、結構大変です。
このようにして私は、医療過誤訴訟を行っています。
医療過誤ではないかとお考えのときは、横谷法律特許事務所までお気軽にご相談ください。