給料未払いの証拠がない場合はどうすればいいか

1 給料未払いの証拠
未払の給料を請求する場合、当然ですが給料未払いを証明できる証拠が必要です。
決定的な証拠を提示すれば、相手方が任意に給料を支払ってくれる可能性もありますし、訴訟においても証拠があれば勝訴の可能性が高まります。
給料未払の証拠としては、本来の給料の金額の記録、実際に支払われた給料の記録、労働していた記録などが挙げられます。
具体的には、タイムカード、雇用契約書、給料明細書、給料振込口座の通帳、就業規則等であれば、給料未払の証拠として用いることができます。
未払の給料を請求する場合には、出来る限り上記のような証拠を収集するように努めましょう。

2 給料未払いの証拠がない場合

(1)相手方に証拠開示するように求める
未払の給料を請求する場合に、それと合わせて相手方に対して給料未払に関する証拠を開示するように請求することが考えられます。
給料明細等は、労働者の個人情報ですから原則として相手方は開示しなければなりません。
しかし、給料を支払わない相手であれば、給料未払いに関する証拠の開示を拒むことも十分に考えられます。
そのような場合でも、弁護士が代理人となって開示請求をした場合には、開示請求に応じてくれるという場合もあります。

(2)証明力の低い証拠を集める
上記のような証拠がない場合でも、できるだけ給料未払を推定できるようなものを集めておくことで、未払の給料を請求できる可能性があります。
たとえば、社用のパソコンの利用履歴や、eメール、LINE等の送受信履歴、業務内容の手書きの記録などから労働時間を推定することが可能です。
上記のようなものは証明力は低いですが、そのような情報を集めることで証拠として利用できる可能性があります。

(3)証拠保全手続を利用する
証拠保全とは、相手方が、証拠(ここでは、タイムカードなど)を改ざんしたり、廃棄したりする可能性がある場合に、裁判官とともに相手方の事務所に抜き打ち的に行って、相手方に対して必要な証拠を示すことを求める手続です。証拠保全の手続をするには、裁判所に申請して、裁判所が証拠保全の手続をする必要性を認めることが必要です。

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