医療過誤の調査~カルテ開示請求や証拠保全手続きについて~

医療過誤の調査には、カルテ開示請求や証拠保全の手続きが欠かせません。診療に関する情報は、患者側よりも医療機関側が多く保持しており、これらの証拠を引き出さなければ医療過誤の責任を追及していくことは難しいのです。
カルテや医療記録等の証拠をおさえるためには、方法が2つあります。

1つ目は、カルテ(診療情報)開示請求をすることです。病院には、患者本人からカルテ開示を請求された場合に原則としてカルテを開示する義務があります(個人情報保護法28条2項本文)。病院にいくと、開示請求のための書式が用意されていることもありますから、その書式に従い必要な書類を提出し、また写しなどの作成料や手数料などの料金を支払うことでカルテのコピーがもらえます。

ただし、この方法は、医療過誤が起こった場合にはカルテの一部を改ざんする・一部しか渡さないなど証拠を隠滅する可能性がないとはいえません。多くの医療機関はそのようなことをしないでしょうが、実際にカルテの記載を改ざんしたという例が存在します(大阪高裁平成25年1月30日)。

そこで、裁判所による証拠保全手続を利用するという手段が、方法の2つ目として挙げられます。文書の廃棄・改ざんのおそれなどがあるときに、裁判所に申立てをして保全の必要性を疎明することで行います。これは、訴訟を提起する前であってもすることが可能です。この申立ては病院に知られずに行うことができ、また証拠の改ざんをする暇を与えません。病院側にとっては、突然裁判所の執行官が病院を訪れて、その場でカルテを原本と照らして逐一確認しながら証拠保全が行われることになり、とても有効な手段といえます。
一方で、証拠保全は裁判所を通す手続きのため、手間と時間、費用もかかりますから、証拠保全が必要かどうかは見極めが必要です。

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